こどもとしょかん 166号 夏

781円 2020年7月 →定期購読もできます

●特集
評論
トロントの「少年少女の家」とオズボーン・コレクションの昔語り

カナダ・トロント公共図書館には、児童古書を集めたコレクションとしては世界でも有数の、「オズボーン・コレクション」があります。そこに勤務されている梶原由佳氏に、昨秋、当館にてご講演いただきました。今号は、そのご講演内容をもとに、トロント公共図書館で児童サービスを牽引したリリアン・H・スミスと、英連邦で最初の、独立した子どものための図書館として知られた「少年少女の家」の歴史を加え、新たにお書きいただきました。また、コレクションの一部も、写真と共にご紹介くださいました。例えば、15世紀頃から使われた初等教科書や、親指ぐらいの大きさの聖書など。梶原氏のやわらかな語り口にしたがい、あたかもコレクション室を訪ねて鑑賞しているような心地にさせられます。

さらに、「金色に輝く日々」と題して、石井桃子さんが、初めて欧米視察の旅に出た際、トロントを訪問し、リリアン・H・スミスと親交を結んだことについて、映像作家の森英男氏にお書きいただきました。かつら文庫所蔵の当時の写真も併せて掲載しています。森氏はドキュメンタリーDVD「子どもに本を――石井桃子の挑戦」Ⅰ~Ⅲを製作、各地で上映会を行っています。

○巻頭言 蔵書の大いなる循環と生命 髙橋樹一郎
○この人、この本 絵本作家 林明子さん
○新潟の本棚から 第18回 真壁伍郎
○ランプシェード シェドロック 中間報告  松岡享子
○書評『絵本作家赤羽末吉――スーホの草原にかける虹』
○良書再読『エヴェレストをめざして』『火の昔――少年少女のための文化の話』

○東京子ども図書館の在宅勤務 清水千秋
○海外の図書館のコロナウイルス対応(1)――IFLA児童・ヤングアダルト図書館分科会のニュースレターから 護得久えみ子

ほか